#6:自慢の味【朝丘 大介】

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自慢の味      朝丘 大介

 

いくつもの屋台が肩を並べる、裏通り沿いにある古びた一軒のラーメン屋。

 

 

口ひげをたくわえたその店主は、自信たっぷりに言った。

 

 

 

「うちのラーメンは死ぬほどウマいから、覚悟して食えよな!」

 

 

 

「……はあ」

 

 

 

店主のでかい態度にどぎまぎしながら、僕はまずスープをひとすくい。口に運んだ。

 

 

 

続いて、麺を箸で数本つまみあげ、つるつるとすする。

 

 

店主は、鼻の下を指でこすりながら、得意顔で、

「へへっ。どーだい味は?」

 

 

 

……覚悟して食べたけれど、フツーの味だったよ。

 

 

朝丘先生
朝丘先生
地方に住む友人の実話です。

©2023 Daisuke Asaoka

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