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悪役レスラーの来店 朝丘大介
洋食屋であつあつのハンバーグを頬張っていると、人相が悪い大男が店内に入ってきた。
子どものころ、よくテレビで見ていた悪役レスラーだった。
ほかのお客たちが見守る中、男はステーキ五皿、大ジョッキのビール三十杯、ライス六皿、サラダ七皿をあっさりと平らげた。
男は試合になると、いつもフォーク攻撃で対戦相手を流血させ、お茶の間のヒンシュクを買っていたが、実物は礼儀正しそうな好漢だった。
「ごちそうさま。おいしかったよ」
会計を済ませる男に、店主のおばちゃんがにこにこしながら言った。
「近くに来ることがあったら、またお店に寄ってね。ここならフォークもあるし」

朝丘先生
僕の街の喫茶店には、プロレスラーのグレート小鹿さんが来られます。