出版放浪記⑪ 小説講座の思い出
お世話になっていた出版エージェントから連絡があった。
「今度、技巧派作家の津原泰水さんが小説講座を開きます。朝丘さんも参加しませんか」
2015年のことだ。
彼女は僕が書きあぐねいていることを知っていて、書く力をレベルアップさせるための助け舟を出してくれたのだ。
場所は、駒場東大前駅にある日本近代文学館。天井まで届く本棚に囲まれたカフェだった。
たまたま『舟を編む』の三浦しをんさんがそこでインタビューをされていて、津原先生と懇談されたこともあった。
はじめは聴講生として参加した。講義を聞くだけだ。
だが、出版エージェントさんは好意から、講義の帰りに津原先生を引き合わせてくださり、三人で一緒に帰った。
電車の中で、中島らもさんの話になったり、作品を盗作されたエピソードなどで、意気投合し、気分上々の夜だった。
津原先生の人柄にすっかり魅了された僕は、この人に自分の作品をみてもらいたい、と思うようにった。
なので、ほかの人より遅れてではあるが、受講生になった。
一回目の作品提出のときは大した作品は出さなかった。
受講生の中には芸能人のゴーストライターをやっている人などもいたので、盗作されてはいけないと警戒し、翼を隠したのだ。
だが、一回目の課題提出で、津原先生の講評を読み、僕は先生に、自分の潜在能力を高めてくれる予感がした。
それで、自分の全人生を賭けた、それまで二十年書いてきた集大成といえる作品を書きあげ、二回目の提出をした。
現在もそうだが、脳が疲れやすいため、小説の執筆は「書いては休み、書いては休み」のくり返しだったように思う。
講義のあった日は脳過労で、いつもぐったりした。
津原泰水さんは、僕の書いたものを認めてくださり、惜しげもなく僕に連載を持つ作家の奥義を授けてくれた。
プロってこんなテクニックを使っているのか、と目から鱗のアドバイスだった。
津原先生のテクニックは、知っているのと知らないのとでは雲泥の差の、受講料十万円の価値のあるものだった。
X(旧Twitter)では僕のことを何度か取り上げてくれた。
「彼の最初の原稿は〈うーん……優しい人柄は伝わってくるけれど〉といった感じだったが、しぶとく書き直され、今回は驚いた。切なさとユーモア、客観性が加味された、なんとも豊潤な作品に生まれ変わっていた」
「人の心に突き刺さる、それでいてシリアスにもならない小説を、久々に読んだ。まさに講座のテーマどおり〈忘れられない小説〉であり、小器用さを売りにしていない所がまた良い。毎日、じりじりと崖を登るように、彼はそれを書いた」
と評してくれた。
「彼のすごいところはつらい自分をアピールしないところ」とも。
出版エージェントからは以下のような講評をいただいた。
「朝丘さんの作品はマイノリティを題材に扱っている作品が多いので、審査するほうも加点に戸惑ってしまうのではないでしょうか。津原さんは、それは朝丘さんの強みなので、これからも大切にしてください、とおっしゃっていました」
ただ、
「マイノリティを扱ったものは、取り扱いは慎重にしたほうがよい種類のものなので、文学賞には不向きかもしれません」
とのことだった。
ある講義のとき、津原先生の録音レコーダーが故障してしまった。
「再現? できるものか!」
津原先生は青筋を立てたが、たまたま軽度の記憶障害(といっても、注意の障がいや集中力の障がいのせいで記憶の植えつけができない障がいで、純粋な記憶障害ではない)があり、録音を許されていた僕が録った講義の記録をダビングして一件落着した。
津原先生は大喜びで、〈頼りになるゴールキーパー〉と僕を持ち上げてくださった。
またそのころ、応募した300文字小説賞の優秀賞を獲った時期でもあったので、それまで僕に見向きをしなかった受講生がはじめて僕の顔をしっかりと見た。
南木義隆さんという現在プロの作家としてご活躍されている受講生だった。
津原先生はサイン会のあと、彼は作家です、と言って河出書房新社の尾形龍太郎編集長に引き合わせてくださったりもした。
「今回の受講生の中で朝丘さんが一番伸びた」
と耳打ちされた。
「朝丘さんも頑張っていれば、必ず成果はでますから。将来はアンソロジー系の作家になれるのでは」
とも。
その後、僕は病気の両親のダブル介護で執筆から離れた。介護は壮絶でノイローゼにもなった。
出版エージェントさんからは、朝丘さんにまた穏やかな気持ちが戻り、執筆できるようになることを願っています、というメールをいただいた。
親が死んだあと、長年の介護で脳の限界を超えていたことから、頭がおかしくなって人を殴り、十か月間入院させられたりもした。
その後も紆余曲折があり、七年のブランクがあるが、津原先生の言葉を無下にしないように、いま、ちゃんと生き、ちゃんと書いている。
ところで現在の僕は、一応は書くことでお金をもらう仕事に就けた。
五年におよぶダブル介護で両親を看取ったあと、高次脳機能障害の僕は、就労継続支援B型事業所で、会う人、会う人に自著を手渡していたところ、一冊が、ある会社の社長の目にわたり、その企業のブログのミニコラムを書く仕事にありつけたのだ。
その仕事で書いているのが、この記事である。
小さい仕事だし、障がい者就労移行支援事業所での仕事だが、この仕事を中心に生活がまわっていて、〈書くことは生きること〉なので、書く仕事があることに感謝してがんばっていきたい。
津原先生が生きていたら、僕の成長を手紙に書いて知らせたのに。
先生が生きておられたらなぁ、といまでも思う。
©2024 Daisuke Asaoka
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