タモツのマル秘計画 前編
野口くんが個室へ移ることになった。
午後六時半。小児病棟の四人部屋。
部屋の中にいるのは、中二のタモツと野口くん、それに中一のてっちゃんの三人だけだった。三人とも、水色のパジャマ姿だった。
夕ごはんを食べおえたタモツとてっちゃんは、『ドラえもん』の漫画をとっかえっこして、ベッドで読んでいた。
『ドラえもん』を読みおえたタモツが、野口くんに漫画を渡そうとすると、野口くんは、もう『ドラえもん』は卒業したよ、と鼻で笑った。
野口くんは誰ともしゃべらない。いつもひとり、ベッドでゲームチャンピオンをしている。
ゲームチャンピオンはタモツにとって、夢の携帯ゲーム機だった。
デパートのおもちゃコーナーへ行くと、とっておきの商品として、人目を浴びるところに飾られていた。ニ万円くらいする商品だった。
あるとき、親戚のおばさんが買ってくれることになり、おもちゃコーナーからタモツのお母さんに電話をかけた。
すると、
「ニ万もするおもちゃを子どもに買いあたえるなんて、とんでもない!」
と、お母さんにどやされ、結局そのときは、アニメキャラクターのミニフィギュアを買ってもらった。
それはそれですごくうれしかったけれど、ゲームチャンピオンで遊べるなんて、タモツには夢のようなことだった。
同じ中二なのに買ってもらえた野口くんが、心底うらやましかった。
「ちょっとやらせて」
夕ごはんのあと、タモツはおもいきって野口くんにたのんだ。
野口くんはメガネごしにちらりとタモツを見て、お断り、と言った。
「やりたかったら、タモツくんも親に買ってもらいなよ」
「そのうちに買うよ。いま、お年玉をためているんだ」
「つぎのお正月はまだまだ先だし、一生手に入らないかもね。やーい、貧乏人」
「貧乏人じゃないやい!」
「廊下で看護師さんが、タモツくんのお父さんはリストラされた、って言っていたよ」
野口くんによると、リストラというのは、会社をやめさせられることらしい。
どうして〈リス〉と〈トラ〉なのか、タモツにはわからなかったけれど。
思いあたるふしはあった。
半年くらいまえから、父さんが家にいることが多くなったのだ。朝、タモツが学校へ行くときも、家に帰ってきても、父さんはパジャマのまま。
うつろな目で、ぼーっとテレビを見ている。そんなことが幾度となくあった。
(ひょっとしたら、父さんは会社に行ってなかったのだろうか。だとしたら、弁当屋でパートをしている母さんの稼ぎで、これまで生活していたのかも)
見下したような目で野口くんは言った。
「いいかい。世の中には勝ちぐみと負けぐみがいるんだ。勝ちぐみは何でも手に入るけれど、負けぐみになると、何ももらえないんだ」
「父さんは負けぐみじゃないやい!」
「負けぐみだよ。タモツくんがゲームチャンピオンを買ってもらえないのは、負けぐみの子どもだからだ。お金がないから、貧乏な四人部屋にしか住めないんだ。ぼくは勝ちぐみの子どもだから、ゲームチャンピオンを買ってもらえたし、病室だって、今日の夜からひとり部屋に住める。やーい。負けぐみの子どもー」
タモツはくやしくて涙がこぼれそうになった。自分のことだけならともかく、父さんをばかにされたことはショックだった。
廊下で看護師さんに言いつけたら、仕方がないという。野口くんはきのう、盲腸の手術をしたから、カリカリしているというのだ。
笑ったり、くしゃみをしたりすると、手術の痕が痛くなるので、一週間くらいは笑えないらしかった。
「野ぐそを殺してやる!」
野口くんが個室に引っ越し、ニ人になった部屋で、タモツがてっちゃんに言った。
夜七時半。テレビで『ドラえもん』を見おわったあとのことだ。
「父さんをばかにされたんだ。許せない!」
先ほど野口くんにばかにされてから、ずっとむしゃくしゃしていた。
「ぼくも手伝うよ。ぼくとタモツくんは友だちだもん」
ひとつ年下のてっちゃんが同調した。
タモツは思った。
(ぼくとてっちゃんは【ぜんそく】という病気で入院した。同じ病気だから仲間なんだ)
タモツは「ゆうじょう」と言って、てっちゃんと握手をかわした。
鼻水をずずーっとすすりながら、てっちゃんが言った。
「でも、人を殺したら、死刑になっちゃうかもしれないよ」
「平気だよ。ぼくらはまだ子どもだから、人を殺しても死刑にはならないんだ」
「ふうん。タモツくんて、法律にくわしいんだね。でも、親にばれたら、しかられるよ?」
「……うーん」
タモツはしばらく考えこんだ。
そして突然「ひらめいた!」とさけんだ。
「よし。絶対にばれない方法で野ぐそを殺そう」
「絶対にばれない方法?」
「てっちゃん、完全犯罪って知ってる?」
「かんぜんはんざい?」
「証拠を残さない方法だ。殺す道具も、指紋も残さない。証拠がないから、殺しても、誰にもばれないんだ。その手で野ぐそを殺す」
「でも、そんな方法あるの?」
「うん。……ちょっと耳かして」
ごにょごにょ……。タモツはてっちゃんの耳もとで、自分の考えを口にした。
©2024 Daisuke Asaoka
FortRainツール紹介
ここで我が社自慢のツール
『Fort Rain』を紹介捺せてください!
弊社は様々な無在庫販売、ドロップシッピング等の方法でECモールAmazonを運用する業者様向けに世の中にあるんだけどないような守りに特化したツールを開発しました!
大量出品を基本とする無在庫業者様特有の悩みである…
『もう出品した記憶のない商品での停止は懲り懲り…』
『この商品は取り込まないようにしていたのになぜ…!?』
などなど健全性や法律に遵守しようとして『入口』ではある程度弾けても、中に侵入されるとなかな排除しにくいものです。
そこで!弊社はただただアカウントを強固に守っていくだけのツールを開発しました!
イメージは下記の通り!キングダム大好き過ぎて城攻めで解説!
ある程度の敵を排除できるツールが世の中には存在しますが、有在庫系物販方向けのものが多かったり
あの嫌な思い出のある商品を弾きたいと思いワードを登録してもスペースや半角の都合で間違って取り込まれていたり…
まだ100%ではないですが日々進化し続け、精度をガンガン上げていっているのがこのツールなのです!
現在ここまで開発ができるように日々試行錯誤しています!
現状SP-APIの関係上で非常に難しいですがいつか健全性に上がってくる商品を勝手に消せるようにまで持っていきたい!
ここまでくればほぼ完全体…フリーザ様もびっくりです!笑
ぜひ気になる方は、ZoomもLINE電話も無料で承っておりますのでお気軽に連絡ください!
あなたのAmazonアカウントを守る超最強のツールが誕生!
『Fort Rain』はもはやネット上に存在しないほどの高精度でリスクのあるキーワードを根絶やしにします!
下記の公式LINE登録後、停止の相談でもOK。停止寸前の相談でもOK。販売力向上の相談でもイケるで。
何でも聞いてくれや!答えられる範囲で答えます!
自社ブランド『女神の息吹』第一弾商品!モリンガと女神の息吹
弊社では、非常に想いの強い沖縄の農家様とタッグを組んでモリンガを広める挑戦をしております!
初めてのことだらけですが、本当に広まれば多くの方が幸せになる。そして健康になり大切な方と長く過ごせる。
そんな栄養素満点の商品を販売しています!
魅力しかない、『神の木』と呼ばれるこのモリンガを沖縄のスコール、日差しの環境を耐え抜いて作る1品は別格!そして国が認める無農薬栽培を証明するJASマークがついています!
今はこれがついていないのに無農薬を謳う業者も多いので気をつけてくださいね…!
『モリンガと女神の息吹』好評発売中!
沖縄県産天然モリンガ100%
〜スーパーフードで始める健康習慣〜
インド原産ワサビ科の植物で、その高い栄養価から“神の 木”、“生命の木”などと呼ばれている“モリンガ”。
必須栄 養成分のオメガ脂肪酸3、6、9をはじめ、食物繊維やビタ ミンE、C、A、 タンパク質、 ポリフェノールな ど、90種 類以上の栄養素を豊富に含むスーパーフードです。「モリ ンガと女神の息吹」は、有機栽培で育てられた沖縄県産モ リンガ100%のタブレット。
コーティング系の化学物質も 一切使わず、有機JASマークも取得済み。アーユルヴェー ダでは、3000年も前から親しまれているスーパーフード
“モリンガ”で、美と健康の新習慣を始めてみませんか?
v